銀河砂漠の国 Episode 4
執筆:ラボラトリオ研究員 畑野 慶
時刻が翌朝になっても夜は明けなかった。アンナ・マリーアは楽観視せず、どのように太陽が盗まれたのかを探ろうと、犯行現場たる屋上に戻った。外から招いた群衆が去った後の、がらんとした光景。だが、尖塔の前に小さな集まりが出来ていた。話によると、男たちが足場に乗り数人がかりで引っ張っても、刺さった矛はびくともしなかったそうだ。彼らの背丈よりも高い場所で、刀身がすっぽりはまり込んだように、壁には微小なひび割れすらない。飛び交う意見の内、尖塔の壁を