銀河砂漠の国 Episode 1
執筆:ラボラトリオ研究員 畑野 慶
世界はとうの昔に干乾びた。湯水のように使うは文字通りの死語であり、雨季でも雨はめったに降らない。かつての沼や湖では、白くひび割れた地表を剥き出して、ところどころ枯れ果てた木々が不気味に立っている。微生物によって分解されない、ひどく乾燥した気候であるが故だ。大地の大半を占める砂漠の、赤みがかった砂色と向かい合う空は、抜けるように青い。伴う太陽は、まさに暴君だ。夜の暗幕に閉ざされると、ひんやりとした月が懸かり、星々が色とりどりに輝く。壮麗な