銀河砂漠の国 Episode 3
執筆:ラボラトリオ研究員 畑野 慶
翌日、未明のうちから王宮の外に長蛇の列が出来た。ジュセッペに対する憎悪や不信や期待などが混ざり合い、人々は複雑な心境である。興奮もしている。本当に太陽が盗まれても、火炙りの刑が強行されても、国の大事件に変わりはない。王かジュセッペか、どちらの味方になるともなく、どちらが勝つかを彼らは目撃して、或いは後ろで見えなくてもその場を共有して、生き証人になろうとしていた。ただの見世物ではない。国の重要な転換点である。
西側の観覧席には、日除け