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意識と無意識の際(はざま)には、何があるのだろうか【後編】

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

言霊学における五十音図の構造は、
知識の模式化技術の統合化を可能にする。

 明治時代以降に日本語のローマ字表記が始まったことが一つの刺激となり、言霊学における五十音の体系的な理解が推し進められることになりました。ローマ字表記以前のカタカナ表記による五十音体系では、<図1>のように、言霊学における父韻と母音・半母音の組み合わせが子音を生むとはイメージすることができませんでした。

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しかし、<図2>のようにローマ字表記による五十音体系が表されることにより、言霊学における母音<a・o・u・e・i>の4/5音、半母音<Wa・Wo・Wu・We・Wi>の4/5音、そして父韻<T・K・M・H・R・N・Y・S>の8音の組み合わせによって、子音<Ta・To・Tu・Te・Ti・Ka・Ko・・・Se>の32音の子音が生み出され、<母音・半母音・父韻・子音>合計50音のイメージを確定することができるようになったのです。

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五十音体系の意味については、<図3>のように、五つの母音<a・o・u・e・i>は、はじめ宇宙が剖半(ぼうはん)する高御産巣日(たかみむすび)(言霊a)を自己の心の五階層の働きを表すものとし、五つの半母音<Wa・Wo・Wu・We・Wi>を神産巣日(かみむすび)(言霊Wa)として、その心を伝える相手の心の動きを表すと説きます。

<a・o・u・e・i>は主体・主観を表し、<Wa・Wo・Wu・We・Wi>は客体・客観を表します。そして、八つの父韻<T・K・M・H・R・N・Y・S>は相手に心を伝える際の理想的な心の動きを表し、残りの三十二の子音<Ta・To・Tu・Te・Ti・Ka・Ko・・・Se>は、母音・半母音と父韻とのヨバイ(呼び合い・婚い)の組み合わせによって生じる現象を表していると考えます。つまり、五十音には理想的な心のあり方や他者との接し方が、ある種の行動規範、倫理として組み込まれているというのが言霊学の判断であるわけです。

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また、日本語を構成する音声は5つの母音によって階層化されています。また、母音と父韻と子音との関連も明確です。日本語の五十音体系を超える、高度な階層化と統合化がなされた言語は他にはないと考えられます。母音と子音は階層化の働きに、父韻と親音は統合化の働きに対応しているため、この四者の組み合わせによって整然と展開される五十音体系の構造は、そのまま化学や思想や哲学の世界における階層化と統合化にも応用できるのです。音声学における発声メカニズムとして、母音は、舌、歯、唇などで息の通り道を閉鎖したり狭めたりすることなく発音できる音声といえます。父韻は響であって音ではない。響きだけでは発音することができないから、末尾に母音を附して例えば<Ta・To・Tu・Te・Ti・Ka・Ko・・・Se>と発音する。

この時<i・Wi>は、父母音の両性を具えたものであるから親音として母音と区別する。<a・o・u・e>の四音、<i・Wi>の親音、そして伊邪那岐<i>と伊邪那美<Wi>は、岐美二神の間にひらめく生命の現われであるから<イマ>という言霊五十音体系の特徴がある。子音は舌、歯、唇などで息の通り道を閉鎖したり狭めたりすることにより生じる音であり、軌道や口腔内の空気を分断化することで子音は生じる。子音は、母音と父韻の産霊(むすび)によって生み出されます。アナロジー(類比)的にはこれを階層化・統合化の働きと関連づけることができます。

 意識と無意識の際(はざま)には何があるか。
最後は、T・シャルダンの言葉で締めたい。


テイヤール・シャルダンは、何らかの意識がどんな小さな物質にも伴うことを、我々は論理的な結論として認めなければならないと述べている。

きわめて大きな分子、もしくはそれ以下の物質にも、意識はあるはずだ。

意識として我々には想像もできないほど複雑性が低かろうと、そこには何らかの意識があるはずなのだ。初めは火花にしか過ぎない小さな意識から、どんどんその影響が広がる。その影響があるポイント、発火点まで達すると、意識の火は次から次へと急速に燃え広がり、ついには意識の白熱が地球全体をおおう。それはまったく新しい世界で、精神世界とでも呼ぶべきものだ。

植物界や動物界といった生物圏(バイオスフィア)の上に位置するのが、精神世界(ノウアスフィア)だ。

テイヤール・シャルダンは、宇宙全体が構成物質同士の相互作用と複雑性を最大化することを自意識で獲得するという「オメガ・ポイント」へ向かって進化していると考えていた。私は、この「オメガ・ポイント」に妙に惹かれるのである。

そして「意識をめぐる冒険」を著したクリストフ・コッホは、こう言及している。

人類は肉体から解放されると神のように振る舞い、新しい宇宙を創造することもできるのだ。エネルギーだけからなる存在が宇宙を飛び回る。

我々は、血と肉からなり物理学と生物学の法則に支配され、地上で暮らして息をして、地球の重力に縛られた存在について考え慣れている。意識のエネルギー体が銀河を駆け巡り、物質的な体の制約に妨げられない。

という。私たち人類は、エネルギーだけの存在となって宇宙を探索する。
意識が宇宙から宇宙へ抜けられるというのだ・・・。・・・、これは、深いゾ。(了)

←前編はこちら

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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等

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