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新・<人工知能>開発ロマン Vol.2

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

コンピュータと生命体はきわめて似ている

コンピュータと生命体はきわめて似ていると、あえて仮説を立てるところに、私は、新・<人工知能>開発のロマンの始まりの第一歩を置きたいと直感している。そのことは前回の記事でもお伝えした

さて、フリーマン・ダイソンだが、生命体であることの定義を次のように続けて記述している。『あらゆる生細胞は、2つの主な構成要素を持っている。それは、タンパク質と核酸と呼ばれる2種類の大きな化学物質である』と。フリーマン・ダイソンは生命体である生細胞の定義を、基本機能としての<代謝と複製>。そして、構成要素としての<タンパク質と核酸>とに大きく区分しているのである。

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つまりフリーマン・ダイソンは、生細胞としての定義を、生物機械としての定義に置き換え、代謝は駆動力としての電力の役割、複製は記録・保存・再生としての電磁力の役割、タンパク質はハードウェアそのもの、核酸はソフトウェアそのものとして捉えることが可能である、としているのだ。

事実、タンパク質はハードウェアのように振る舞い、他の科学物質を高度に特異的な方法で反応させる触媒として働くことに関わり、核酸はソフトウェアのように振る舞い、タンパク質を組立、そのタンパク質に対して何をすべきかを指示している。代謝はタンパク質の仕事で、複製は核酸の仕事である。代謝は常に活動していなければならないから、ハードウェアがおこなう仕事である。核酸は安定性と読みとりを必要とする点で、ソフトウェアがやる仕事である。そして核酸は、フロッピーやハードディスクと同様に容易に読みとられ複写される。

タンパク質は複写によって創られるのではなく、コンピュータと同じように、設計図によって創られる。さらに言及するなら、複製は分子構造の量子力学的安定によって説明され、新陳代謝は生細胞が環境の中から熱力学の法則に従って自由エネルギーを抽出する能力によって説明されるとされている。一つの例として、医者が『はて、これはいかなる病気であるか?』と考えるとき、その医者は、自らの頭の中に蓄積した症例と比較(パターンマッチング)しているとする意見がある。私が言う置換の定義は、パターンマッチングのことである。

かつて華々しく登場した、エキスパートシステムの医療診断システム<マイシン>は、人工知能を目指した類のシステムであったが、華々しくスタートした<マイシン>が、その後、実用化に至ったという話を聞かないのは、果たして、その<マイシン>には自己増殖と複製の機能、さらにはタンパク質と核酸の役割分担の区分が、機能として、アルゴリズムとして取り込まれていなかったのではないか?という疑問がある。

エキスパートシステムに限らず、人工知能システムに限らず、すべてのデータベースシステムには、もしそのデータベースに自己増殖・複製機能が備わっていなければ、データベースとして頂点に達した瞬間から陳腐化が始まる、という宿命が存在する。人間も同じである。今日時点までに手にした知識に満足して、新たな知識の吸収をおろそかにした瞬間に、その人間が手にしていたいままでの知識は、たとえその時点で最高の知識であったとしても、その頂点の瞬間に陳腐化を始めるという事実である。

(つづく)

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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等


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