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言霊よもやま話Vol.11 〈新年の行事〉

原典:『世界維新への進発』(小笠原孝次 著)
編集:新谷 喜輪子 / 監修:杉山 彰

神はα(アルファ)であり ω(オメガ)である

一月の神道行事には、宇宙の始原から言霊(ロゴス)が発現し、そこから万有が創造されて行く先天及び後天の原理、すなわち生命の存在と活動の公理、定理である惟神の布斗麻邇の法則が、咒事されている。初めは皇室の神楽(かみあそび)であったが、やがて神社神道の祭典形式となり、最後には民間年中行事となって今日に至っている。凡そ人間の営みは先ず始めを始めとし、その始めである宇宙の始めに帰って、常に其処から新しく発足し、途中に於いて正しい行程を辿ることによって、初めて満足な終わりに到達する。神はαでありωであるが、アルパをはっきりさせないで途中から物事を着手すると、流れが一本にならず、枝道が分かれ分かれて、結局はただぐるぐると、正しい終局に到達し得ない。こうした人間の営み、業縁(カルマ)の流転を裁断し、その束縛から脱れるには先ず清新な物事の始めに帰る事である。宇宙の始めに立って出発すること、これが神道はもとより、すべての宗教の入門である、哲学(フィロソフィレン)の開始である。 

正月の行事は一、三、七、十一、十五、二十日に行われる。事物が発現し完結する過程において、節(ふし)となり締めくくりとなる数序である。一日は、零、初め、全局であり、同時に終わり、完結である。アルパと見れば天之御中主神(ウ)であり、オメガと見れば天照大御神(エ)である。三日は、この霊即一の対局である宇宙自体から陽儀高御産巣日神(ア)と陰儀神産巣日神(ワ)が剖かれて、ウ、ア、ワの三位一体が顕現する事を教えている。宇宙に陰陽が有るわけではない。生命が宇宙の姿を陰陽とするから陰陽が現れる。七日は七個の隠り神(実在)すなわちウアワオエヲヱを示す。七草粥はその精しい咒示である。すずな(鈴名・蕪)は五十鈴宮の五十音(名(な)=菜(な))であり、蕪の形は鈴に似ている。すずしろ(鈴代・大根)はその五十音を神代表音仮名文字(麻邇字(まにな))に書き現した五十音図の事である。せり(芹)は糶(せ)り、選りで、人間が発生する音声から、五十音を生命の基本の原理原律に合わせ結び付けて選り出すことである。そうするとなづな(名綱(なつな)・萕)が出来上がる。高天原金剛界を結界する言霊の範疇である。その中で綱と云うのは、タカマハラナヤサと並ぶ一列の時空の変化の連鎖であり、数で示す時、七五三縄と云う。ごぎょう(五行・母子草)はアオウエイの五であり、はこべ(運・繁蔞)は言霊ン(運)であって、最後にほとけのざ(仏の座)が出来る。仏の座はすなわち天津日嗣の高御座、百敷の大宮であり、天照大御神(大日如来)の八咫鏡である。 

十一日は十で完成された原理を次の十一番目に展開活用する事で、次いで十五日の小豆(あずき)粥は小豆(あずき)島(泣沢女神)の祭、言霊ヒチシキミリイニ八父韻である。天之御中主神(ウ)から数えて第十五番目にこの八父韻が出揃う。 

最後の二十日の二十はフトである。以上の様な原理とその操作が、すなわち人間が文明を創造する上の基本公理である布斗麻邇(フトマニ)である事を教えている。

(つづく)

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【小笠原孝次(おがさわらこうじ)略歴】
1903年 東京都にて生誕。
1922年 東京商科大学(現在の一橋大学)にて、
吹田順助氏よりドイツ文学、ドイツ哲学を学ぶ。
1924年 一灯園の西田天香氏に師事し托鉢奉仕を学ぶ。
1932年 元海軍大佐、矢野祐太郎氏および矢野シン氏と共に
『神霊密書』(神霊正典)を編纂。
1933年 大本教の行者、西原敬昌氏の下、テレパシー、鎮魂の修業を行う。
1936年 陸軍少佐、山越明將氏が主催する秘密結社「明生会」の門下生となる。明治天皇、昭憲皇太后が宮中で研究していた「言霊学」について学ぶ。
1954年 「皇学研究所」を設立。
1961年 「日本開顕同盟」(発起人:葦津珍彦氏、岡本天明氏ほか)のメンバーとして活動。
1963年 「ヘブライ研究会」を設立。
1965年 「ヘブライ研究会」を「第三文明会」に発展。
1975年 「言霊学」の継承者となる七沢賢治(当時、大学院生)と出会う。
1981年 「布斗麻邇の法」を封印するため七沢賢治に「言霊神社」創設を命ずる。
七沢賢治との連盟で山梨県甲府市に「言霊神社」創設する。
1982年 79歳にて他界。

【著書】
『第三文明への通路』(第三文明会 1964年)
『無門関解義』(第三文明会 1967年)
『歎異抄講義』(第三文明会 1968年)
『言霊百神』(東洋館出版社 1969年)
『大祓祝詞講義』(第三文明会 1970年)
『世界維新への進発』(第三文明会 1975年)
『言霊精義』(第三文明会 1977年)
『言霊開眼』(第三文明会 1980年)


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言霊三部作(『言霊百神』『言霊精義』『言霊開眼』)を執筆した、わが国の言霊学第一人者である小笠原孝次先生の『世界維新の進発』がいま、エッセイ集『言霊よもやま話』として登場。