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緊急特集「新型コロナウイルスの影響で日本は食料危機に!?」 Vol.2

執筆:ラボラトリオ研究員 後藤ヨシヒロ

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前回では、「世界同時多発的な食料危機に対する警告」のキッカケとなった、FAO(国際連合食料農業機関)、WHO(世界保健機関)、WTO(世界貿易機関)、3つの国際機関による共同声明をご紹介しました。

同時に「新型コロナウイルスの世界的なパンデミックの影響によって、世界同時多発的に食料危機が起こるのではないか!?」と警告する方々の根拠についてまとめてみました。

その根拠とは、大きく次の4つでした。

▼日本国に食料危機が起こる4つの根拠
・根拠1. 各国の食料輸出制限
・根拠2. 世界同時多発的な虫害被害
・根拠3. 中国の豪雨被害
・根拠4. 日本の食料自給率

今回は「根拠1.各国の食料輸出制限」と「根拠2.世界同時多発的な虫害被害」の真偽について、詳しく解説していきたいと思います。


■根拠1:各国の食料輸出制限

食料危機を警告する方々が、日本国に食料危機が起こる可能性の根拠のひとつとして、16カ国の食料輸出制限+1カ国のロックダウンの影響を挙げています。特に小麦輸出世界第1位のロシアが輸出制限を行ったことが説得力を増しています。

※図表-1:輸出制限導入国(16カ国の食料輸出制限+1カ国のロックダウン=計17カ国)

図表1

確かにロシアの小麦輸出量は世界第1位です。

そのロシアが小麦の輸出量を規制すれば、どこかの国に何らかの影響が及ぶことは推測されます。

ですが、この連載では他国の解説につきましては省き、日本国に限定した解説になりますので、ご容赦ねがいます。

▼ロシアの小麦輸出量および生産量
●小麦輸出量(2019年)(単位:千トン)
・第1位:ロシア(35,000)
・第2位:EU (32,000)
・第3位:米国 (27,500)
・第4位:カナダ(23,000)
・第5位:ウクライナ(20,500)

●小麦生産量(2019年)(単位:千トン)
・第1位:EU (148,255)
・第2位:中国 (133,590)
・第3位:インド(103,600)
・第4位:ロシア(73,610)
・第5位:米国 (52,258)
※出典:USDA『world Markets and Trade』


■根拠1:真偽

▼根拠1:真偽(1)
・情報によってはロシアの小麦の輸出量をゼロに制限したような誤解を与えるものが多い
・しかし、ロシアは小麦の輸出量をゼロにしたというワケではない
・2020年4月-6月度分の輸出割当量の700万トンが早く終了
・2019年4月-6月度分の輸出実績量の720万トンを20万トン分を下回った
・小麦の輸出実績量が720万トンが700万トンに引き下がったことは事実
・小麦の輸出実績量が前年度比で20万トン分を下回ったことが大袈裟に報道されている
・ロシアの小麦輸出量は国際価格、政治的な手段として変化するため解釈には注意が必要

根拠1:真偽(2)
・2020年8月以降、ロシアの2020年/21年度分の小麦の収穫は順調であり前年度対比2.0増加の見通し
・2020年8月以降、ウクライナの2020年/21年度分の小麦の収穫は前年度比9.2%減の2,700万トンの見通し
・2020年8月17日、ロシア政府は穀物輸出業者と小麦の輸出上限数量の覚書を交わした
・2020年/21年度分の小麦の輸出上限数量は1,750万トン

※出典:農水省 海外食料需給レポート(2020年8月)
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_rep/monthly/attach/pdf/r2index-19.pdf
※出典:米国農務省(USDA)海外農業局レポート(2020年9月11日)
https://bit.ly/3idP1ir

根拠1:真偽(3)
・日本は穀物の調達を海外に依存している(図表-2参照)
・日本はロシアから、小麦、大豆、トウモロコシを輸入している

※図表-2:日本国の穀物輸入割合

図表2

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