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誰にでもある火事場の馬鹿力

こんにちは。
Parole編集部です。

昨日の記事では、私たちはいかに、つくられた常識や観念に縛られ、
それに囚われながら生きているのか?


ということについて、触れられていました。

それらは決して真実ではないのに、無意識のうちにその概念に縛られ、その枠に沿った生き方を選択しているうちに、いつの間にかその通りの現実がつくられてしまっている、と。

とはいえ、日本でも2016年に『サピエンス全史』の世界的なヒットを機に、

「私たちが見ている世界、現実だと思い込んでいる世界は、実はフィクションで、真実ではない」

ということに、気づき始めている方も増えたのではないかと思います。

(※こちらについては、いちあまね氏の「脱マトリックス」シリーズで、現実世界がどのように成り立ち、つくられているのか?という、現実創造のしくみが、わかりやすく記述されていますので、ぜひご覧ください)

そこで今回は、既存の価値観や常識を超えるための、具体的なアプローチについて触れた記事をお届けいたします。

前回リミッターを外すために
というテーマでお話ししましたが、

どちらかというと常識的な範囲で
書かせていただきました。

また、「火事場の馬鹿力」を活用する
東大生についてもお話ししましたが、

こちらもまあ、普通の内容です。
理性で処理できる範囲といいますか。

その東大生は試験問題を半分の時間でやると
特殊な力が発揮できると言ってますが、

三倍のスピードで仕事をするとゾーンに入ると
言っている某コンサルタントもいます。

何れにしましても、今の自分が
処理できないスピードで何かを行うと

これまで使っていなかった脳の部位が
働くということでしょう。

これは考えてみると・・といいますか、
考えるまでもなく当たり前のことです。

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そこで一見すると話が飛びますが、一昔前、
七沢先生にこんなことを言われたことがあります。

「言霊を志す者は『無門関』の公案48則を解くといい」と。

今は全くそのようなことは言われなくなりましたが、
これが案外、火事場の馬鹿力を解くのに役立つのです。

ちなみに『無門関』とは禅の教科書みたいなものですね。

だいたい公案というと、
普通は「わけのわからない話」とイメージされるようです。

たとえば、「両手で叩くとパンと音がする。
では隻手(片手)の音はいかに?」
というのがありますね。

あるいは「犬に仏性ありや、なしや」とか。

それで一時期、公案にはまっていた時期があるのですが、
印象に残っているものに「一口吸盡西江水」があります。
(「いっくにきゅうじんすせいこうのみず」と読みます)

これは確か『碧巌録』でしたか。
私は結構このお話が好きなんです。

ストーリーはこんな感じです。

ある僧が馬祖(ばそ)という有名な禅師に質問しました。

「何ものにも囚われない超越した人間とは、
一体どのような人ですか?」

すると馬祖はこう答えます。
「お前が西江の水を一口に飲み尽くしたら、それを教えてやろう」と。

ちなみに西江とは、中国で揚子江、黄河に次ぐ3番目の大河です。
(昔は西江と揚子江は同じと聞きましたが、今は違うみたいです)

そんなお水を一体どうやって飲むんですかね?

ですから、「西江の水を一口に飲み尽くす」ことができれば、
その人は「超越した人間」になるわけです。

つまり、馬祖はもう答えを言っているわけですね。

「火事場の超々馬鹿力を出してみよ」と。

ちなみに、このお話は剣術の柳生新陰流にも採用され、
「西江水」という名の極意になっています。

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では、この馬鹿力ですが、
普段の自分が意図して出せるものかというと、
そうでもなさそうです。

ネットではこんな事例が紹介されていますね。

アメリカ・ジョージア州で、「トニー」という青年が車のタイヤ交換をしていたところ、何かの拍子で車体を持ち上げていたジャッキが外れ、車に挟まれ意識を失ってしまった。

それをたまたま見ていた近所の子供からの知らせで駆けつけた母「アンジェラ」。息子が車に挟まれて意識を失っているのを見て、とっさにその車(ナント、重量は350kgあった!)を一人で持ち上げ、助けが来るまでの5分間の間、ずっとそれを支え続けたといいます。

そして、その間「アンジェラ」は意識のない息子にずっと呼びかけていたのだそうです。その後、近くの住人が助けに来て「トニー」を救出。

一時は意識不明だったものの二日後には無事退院。
命に別状はなかったそうです。

他に、こんな話も。

2012年にアメリカ(ミシガン州)に住む15歳の少年は、車の下敷きとなってしまった祖父を助けるために、900キロの車を持ち上げて見事に救出に成功しました。

また、こんなのも。

昔、九州で、マンションで留守番をさせていた子どもがベランダから転落する事故があった。

たまたま母親が買い物の帰りに子供がベランダにいるのを発見し、地面に激突する寸前でキャッチしたのだが、これがすごい。

まず加速度を計算すると、落下地点では子供の負荷はなんと145キログラムになる。しかも、子供を見つけてからキャッチするまでの距離を測ると、
100メートルを11秒台で走ったことになる。しかもサンダル履きで・・

つまり、これらの共通点は、
“超”がつくほど緊急事態にあった、ということです。

そんな緊急事態なしに、
少年がいきなり900キロを持ち上げるなんて、
ありえません。

なので、少年にしても、お母さんにしても、
後で呆然としてしまうんですね。

一体、自分のどこにそんな力があったんだ、と。

ところが、人間には誰にでもあるんです。
そんな力が。

では、なぜ普段そんな力が出せないのかというと、

本気で力を出してしまうと、
筋肉や骨が壊れてしまうため、
潜在的にリミッターがかけられているからです。

それは、ある種の生命維持装置
といってもいいかもしれません。

つまり普段は、自分で「これ以上はムリ」
と感じるところまでしかパワーが発揮できないように
なっている
んですね。

ところが、緊急事態の場面に遭遇すると、
脳の安全装置が解除され、アドレナリンが大放出されます。

すると、「これ以上はムリ」と感じる限界を超えて、
本来備えられている潜在的なパワーが発揮されるようになる
のです。

ですが、それだと
細胞が破壊される痛みで長続きしないのでは、
と思いますよね?

そこで分泌されるのがβエンドルフィンで、
痛みを止めるどころか、むしろハイの状態を生み出すんですね。

モルヒネの数倍もの鎮痛作用があることから
「脳内麻薬」とも呼ばれています。

で、実際に損傷も痛みもないわけです。

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そこで話を「西江の水」に戻しますと、

実は、本気の本気で
「その水をすべて飲む」と決めると、
脳が変化する
のです。

もちろんホルモンも分泌されます。

ところが、普通は「殺すぞ」と言われない限り
本気でそんなこと思えません。

今の自分を基準にした
適当な本気ならありえますが、

自分を破壊するほどの
本気にはなかなかなれないのです。

この辺りが、禅の「悟り」の重要なポイントと
いえそうです。

どこまで本気になれるか
どこまで公案に命をかけられるか、
ということです。

その「悟り」を経験すると、
先ほどの馬鹿力ではないですが、

意識のひっくり返りと共に、
自分にもの凄い力があることに気づくわけです。

その凄い力と言葉を合わせると、
正真正銘の言霊が生まれます。

結局、火事場の馬鹿力とは、
人類が持つ38億年の生命(いのち)の力であり、

それは誰もが持つものでありながら、
ほとんどの場合、その自覚がなく一生を終えていく、
というものかもしれません。

一方、それに気づくことができれば、
人生はもっと深い安心に満ちた、

それでいてエキサイティングなものに
なりそうです。

まだアナログのお話は続きますが、
やがて出てくるデジタルの世界にどうつながっていくのか、
楽しみにしていてください。(了)

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※今回の記事は、Paroleの監修責任者である大野靖志が、まぐまぐ!の有料メルマガ「大野靖志の『週刊デジタル真道』vol.03」にて執筆した記事を特別に公開させていただいたものです。
ご好評いただいているバックナンバーは、こちらよりチェックしていただけます。気になるテーマの記事がありましたら、ぜひご覧くださいませ。

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