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『鬼滅の刃 無限列車編』から紐解く日本人の使命とは?

こんばんは。Parole編集部です。
映画『鬼滅の刃 無限列車編』が興収233億円、累積観客動員1,750万人突破という超大ヒット作品として記録を更新しています。(11月17日現在)
弊誌Paroleの監修者である大野靖志が大の鬼滅ファンで、すでに映画も視聴済みという情報を得た編集部では、今作の感想を聞くべくインタビューを企画しました。
対談のお相手は、長年アニメ業界に携わり、数百万本を販売したゲーム製作で中心的役割を果たしてこられた蒼井夢治(あおいゆめじ)さんです。専門家である蒼井さんからご覧になっても、今回の作品はほかにない珍しい手法が使われているとのことです。
ネット上ではネタバレを含むたくさんの情報が公開されていますので、ここでは本誌ならではの切り口でこの作品の魅力に迫ります。


【編集部】
お忙しいところお越しいただきまして、ありがとうございます。
今日はお二人のお気に入りの作品といえる『鬼滅の刃 無限列車編』の魅力について語っていただければと思います。
さっそくですが、大野さんが鬼滅ファンというのは意外でした。すでに全巻制覇されたそうですが、この漫画(アニメ)の魅力はどういったところでしょうか。

【大野】
そうですね。
全編を通してということになりますが、日本人の精神性に対する期待感というか、熱い想いが感じられるところでしょうか。
特に今回の映画では、現代の日本人が忘れてしまった大切なものを登場人物たちが体現していて、観る者にそれを思い出せ、目を覚ませと、画面を通して強く訴えかけてくる…そんなふうに感じます。

【編集部】
私もインタビューに先立って、昨晩、映画館でこの作品を観たのですが、そういうメッセージをビシバシ感じました。その辺について、後ほど詳しく教えていただければと思います。
蒼井さんはアニメ業界で様々な作品制作にコンセプトの段階から関わってこられたと伺っています。専門家として今回のアニメをご覧になった第一印象はいかがでしたか?


【蒼井】
私も現代日本人に送られたエールのようなものを感じました。
時代背景としては大正時代で、開国後に外国から入ってきた資本主義が日本に定着してきた頃ではないかと思います。そんななかで、頭の上から足の先まで西洋風の服装で身を包んでいる鬼の首魁・鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)は西洋の社会システム、つまり資本主義を象徴していると考えています。
今回の映画でも、切られても切られても手足が再生する鬼の存在は、同質のものを大量生産するシステム、いわば産業革命から生まれた機械、装置をイメージさせます。そういう西洋文明との対比を用いて、日本人の特性をうまく表現していると感じました。

【編集部】
その日本人の特性とはどのようなものですか?

【蒼井】
鬼滅の刃ではストーリー全体を通して当てはまることですが、今回の映画では特にチームプレイを大切にする「ありかた」ということかと思います。
極限状態のなかで、仲間と守備範囲を決めて、ある意味、仲間に身を任せた状態で自分の役割に邁進する。そして、何かを成し遂げたときには、自分の手柄にしない。
後顧の憂いなく、未来への不安もなく、目の前の状況に全身全霊で立ち向かう、武士道、そこに身を置いていることへの「誉れ」というのでしょうか。

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【大野】

確かにそうですね。鬼にはヒエラルキーがあって上弦・下弦に分かれていて、そのなかにさらにヒエラルキーが存在していますね。人を喰らえば喰らうほど強くなり、ランクが上がっていく。上の鬼を引きずり下ろしてまで、上に上がろうとする。
しかし、悲しいかな、そうして上に上がることに成功しても、こんどは自分より下のランクの鬼に引きずり下ろされる恐怖が待っている。結局は自分に血を与えた鬼舞辻無惨というシステムのなかで醜い争いをしているにすぎません。
一方で、鬼殺隊には階層はありますが、互いを思い遣り、大切にする精神がベースにある。支配・被支配というヒエラルキーではない、そこが決定的な違いです。
「煉獄さんは負けていない!!誰も死なせなかった!!」という炭治郎の言葉からも分かりますね。外からの脅威に対して仲間を守るという大義、公の目的に向かって力を合わせて目的を遂行する。その「中今」の世界に生きることが、彼らの生きがいだと言えるのではないでしょうか。

【編集部】
なるほど、そういう深い洞察が可能なんですね。
その生きがいというところなのですが、いまの社会状況を見ますと、生きがいを持ちにくいと言いますか、先行きが不透明で不安が蔓延しているように見受けられます。
そんななかで、無限列車と一体化していた魘夢が車掌や子どもたちをたぶらかして、幸せな夢をエサにして、鬼殺隊を陥れようとしました。ある意味、ずっと幸せな夢のなかで暮らせたら、それはそれで幸せではないかと思ってしまったのですが、それについてはどうお考えですか。

【大野】
資本主義社会だと、確かに、生きるために何でもしなくてはならないという側面がありますね。稼がないと、自分だけではなく一家が路頭に迷うといったこともあります。家族を生かすために、あえて自分が鬼にもなろう、というね。
しかし、そこにもやはり限界があるんですよ。魘夢の言葉からもわかりますが、鬼の力を強化するには、襲われた人間が最後に強烈な恐怖と苦しみを味わう必要がある。でないと、エネルギーを取り込めず強くなれないという。
実は鬼である彼ら自身も、血を分け与えられるという悪魔の儀式から力を得ていて、最後は地獄に取り込まれるわけですが。

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【編集部】
プラス面に偏った理想論では、いずれは壁に突き当たるということですね。
そうしますと、この作品には、今の社会に対する警告的なメッセージが込められているということでしょうか。

【大野】
作者が意識してそうしたのかは分かりません。しかし、無意識にはそういう思いがきっとあると思います。
こんな社会だからこそ、これからは日本人的というか、縄文時代から日本人のDNAに刻まれている生き方が大切になってくるということだと思うのです。
魘夢にたぶらかされた男の子が炭治郎の無意識領域のなかに入ったときに、あまりにも清らかな世界に圧倒され、敵意を削がれていました。しかも、精霊のような者たちが、敵である男の子を精神の核まで連れて行くという、炭治郎のお人好しぶりが際立っていました。
外部の存在、それが敵であろうとも受け入れて共に生きようという、日本人の精神性が表されていますね。

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【蒼井】
映像の美しさとも相まって、あの場面には私も引き込まれました。
清らかでお人好し、でも、それだけではなくて、炭治郎には強さがある。性格が良くて誰にも好かれるけれども、その一方で、みんなで生き残るために戦う時の決意の固さは半端ではない。
炭治郎は自分の感情をごまかさないところにも共感できます。痛い、辛い、しんどい、という言葉を正直に表に出す。でも、お兄ちゃんだからあきらめる訳にいかない。そこが逆に強さではないかと思うんです。

大野
そうですね。
実は今朝、『脳磨き』という最新の脳理論について書かれた本を読んだところだったのですが、そこに「島皮質」という部位の働きが紹介されていました。
島皮質には人間の統覚という機能を司る働きがあるそうです。統覚というのは、「対象がよく理解されて明瞭に意識される知覚の最高段階、あるいは、個々の知覚内容を統合する精神機能」(「ブリタニカ国際大百科事典」から引用)であり、島皮質がその鍵を握っている。
誤解を怖れずに簡単に言ってしまうと、島皮質が働くと脳が統合され、脳を自由に使えるようになるということです。そして、島皮質が働くためには、感情をごまかさないことが大切とのこと。
さらに、感謝の気持ちを持つ、前向きになる、気の合う仲間や家族と過ごす、利他の心を持つ、という特徴も挙げられています。

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【蒼井】
まさに炭治郎の性格そのものですね。アニメの主人公が活躍している、その背景が科学的に証明されているというのは非常に興味深いことです。
ところで、脳を統合する働きということは、白川神道において、五魂を統合する働きを持つという「精魂(くわしみたま)」と関係あるのでしょうか。

【大野】
はい、私もちょうどそれをお伝えしようと思っていたところで。(笑)
感謝であったり、仲間を大事にしたり、利他の心で生きることで、精魂が磨かれると捉えることができます。

【蒼井】
なるほど、やはりそうなのですね。それは、炭治郎たちがおこなっている「全集中」にも関係あるのでしょうか。あれは白川でいう「鎮魂」に通じるものがあるのではないかと。

【大野】
「全集中」はどちらかといえば呼吸法なので鎮魂そのものとは違いますが、それがもたらす結果の観点から広く解釈すれば、鎮魂に近いといえますね。
鎮魂では、全集中と同時に、その逆といえる全開放という状態があり、それが表裏一体になっているんです。
全集中・全開放をしていると、上下を含めて360度、あらゆる方向に意識が放たれるんですね。その状態に入ると自分が真空状態、エーテル状態になるんです。そこからプラズマがパーンと出るんです。

蒼井
だから武道の達人は力技で相手をねじ伏せるのではなく、極端に緩んだ形から瞬間的に技がでるということなんですね。剣豪の宮本武蔵もが晩年に完成させた二天一流という兵法のなかで、体から完全に力を抜いた状態になると聞いています。そこからプラズマが働くという。

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【大野】
プラズマとエーテルが表裏一体になっているんです。
実は、言霊とは、エーテルに満たされた空間でプラズマをあらゆる方向に出す、ということとも言えます。
言霊は全集中していないと正しいものが選択されないし、正しい文章を作れませんからね。だから鎮魂が必須になるんです。

【蒼井】
「言霊=プラズマ」を発動させるには鎮魂ができていないといけない、ということですね。

【大野】
プラズマといえば、実は鬼殺隊がもつ日輪刀や、炭治郎のヒノカミ神楽にも結びつく興味深いポイントがあるのですが、その辺のお話は長くなりそうなので、でまた別の機会に。

【編集部】
日輪刀、ヒノカミ神楽・・・詳しくお聞きしたいですが、ここはぐっと我慢して・・・お二人のお話を伺っていますと、全集中、つまり鎮魂を極めて言霊を発動させるということは、鬼滅でいう「柱」になるということなのかと思ったのですが・・・

【大野】
まさにその通りです。すでにお分かりのように、「柱」という数え方が、彼らが神であることを示していますね。
私たちは、神人一如、つまり柱となるための方法論を科学的に実証しようとしています。
言葉を換えると、脳を自由自在に使って、公に貢献するということですね。この作品の観客動員数が歴史的な数字を記録しているのは、間違いなく、日本人が目覚めはじめている証拠です。

【蒼井】
日本人が生まれながらに持つ縄文人のDNAを顕現させて、ポスト資本主義の社会、文明の先達となって社会を根底から変えていくというストーリー。それがアニメの世界だけではなくて、現実になっていくという期待感が社会に広がる引き金としての役割をもつ作品であると感じました。

【大野】
そうですね。日本人がもつ真面目さが世界を変える大きな力になっていくことは間違いありません。日本人には勇気を持って、その一歩を踏み出してほしいと思います。

【編集部】
この作品中に散りばめられている、世界に誇るべき日本人の精神性、そして、その精神性をもつ私たちが果たすべき役割について考えるきっかけをいただきました。
縄文人のDNAが生きている日本人の想いが、この作品を通して、海外でもより多くの人々に伝わってほしいと思います。
本日は貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。


◎参考記事

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こちらの記事では、日本人として私たちが、本来立ち返るべきあり方とは何かについてお伝えしています。


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【蒼井夢治(あおいゆめじ)プロフィール】
クリエイティブエージェント。
1972年京都生まれ、同志社大学経済学部卒。

演出家・コンセプトプランナー・デザイナー
ストーリボードアーティスト
CGアニメ監督
プロヂューサーなどを歴任し
クリエイティブ業界で活動。
2012年、伊勢神宮の式年遷宮にて
イントロダクションPVムービー
「いせのいすずのもりのみや」
CGアニメ監督・原作を担当。
伊勢神宮1200年の歴史上初のCGアニメとなった。
以降、世界最古かつ最新の「おみち」の文化継承を模索する。

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