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日本という、このすばらしい国 その8

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

弥生時代になると、日本列島に争いごとが多発した

弥生時代の遺跡からは、あきらかに弓矢のヤジリなどで傷つけられたと見られる頭蓋骨が数多く出土されています。私は、先のパローレでの連載でも、たびたび「農業社会は、建設土木工業社会」であると記述してきました。湿地帯などを開墾して水田を造成するためには、何らかの測量技術が必要になります。灌漑工事も土木工事も必要になります。大量の人手も必要になってくるはずです。

さらに田植えや刈り入れのタイミングを測るための暦(こよみ)の知識、収穫したお米の保存や加工や調理の知識、さらには道具として、さまざまな農機具の発明や生産が不可欠になります。冶金技術が導入され、青銅器や鉄器の生産が本格化しました。もちろん、水田での稲作は、畑作農業では大きな問題であったイヤ地による連作障害は発生しません。連作が可能です。反あたりの収量が極めて高く(米は反あたり3トン、麦は反あたり1トン)、栄養価に富んだお米が毎年収穫できるわけです。

当時の農業社会は、現代からは想像がつかないほどの、いわゆる高度工業化会だったのではないでしょうか。よく収穫できた水田と、よく収穫ができなかった水田が、当然のようにあったはずです。水田を効率よく開墾できた人たちと、効率よく開墾できなかった人たちも存在したはずです。そして新しい技術(知識)を導入した人たちと、導入できなかった人たちとの格差は、間違いなく「持てる者と持たざる者の偏在」、さらには「富の偏在」へと進展していくことは、現代のIT情報社会を見ても明らかです。過去の歴史を紐解くまでもなく「富の偏在」は、我が国では嫉妬の対象となり、争いごとの原因となり、やがて戦争という争いごとに発展することも自明です。

弥生時代の遺跡から、明らかに弓矢のヤジリなどで傷つけられたと見られる頭蓋骨が数多く出土されるようになったことは、自然といえば自然なことかもしれません。 弥生時代は、やがて古墳時代へと相転移した。本レポートは、歴史解説書ではありません。また、私は歴史学者でも歴史の専門家でもありません。しかし、どうして、これだけの多くの頁数を割いて、我が国の古代史を記述しているのかといえば、それは「私たちの日本は、これからどうなっていくのだろうか」という不安に対して、私なりの心構えを定めておこうと決心したことでした。そして、不安が生まれたのだから、その不安が発生した起点までを記述してみよう。起点まで行き着けば、その不安の正体が見えてくる。正体が見えれば、あとはその正体ときちんと対峙していけばいい、ということでした。

時代は、ますます混沌としてきます。間違いありません。先が見えない不安。今が見えない不安。しかし、過去は確実に存在しています。そしてたった今の、今の瞬間、今は、過去と未来へ、と同時共時に積み重なっていきます。少なくとも、我が国が「日本」という国号を使うに至った経緯。そして「日本人」という民族名を使うようになった経緯ぐらいまでを、きちんと把握しておかなければ、今の混沌としきった「社会の不安」と対峙していくことが難しいのではないかという思いからでした。1万年以上も大きな争いごともなく日本列島で暮らしていた縄文社会に、渡来人という播種と、水田稲作という新しい食料生産方式が普及した揺り動かしによって、縄文時代は弥生時代へと相転移したのです。

そして今度は、弥生社会が、何らかの播種と揺り動かしによって古墳時代へと相転移したのです。古墳時代は、弥生時代よりさらに短い、わずか300年間(3世紀~6世紀の間)という歴史しかありません。100以上の国が日本列島に点在していた弥生時代晩期から、わずか300年の間に、いったい何がおこったのか? どのような播種と揺り動かしが作用したのか。我が国の歴史で、もっとも不可思議の多い時代が、この古墳時代のようです。

とにもかくにも、古墳時代にはいると日本列島の社会は大きく様変わりしました。武力を用いた覇権争いが始まります。いわゆる豪族の誕生、大王(おおかみ)の誕生です。そして国家統一への歩みと「天皇」という呼称の誕生です。天皇という呼称の誕生によって、「日本国」という国名と「日本人」という民族名が誕生したのです。(つづく)

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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等

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