
この宇宙はプラズマでできている vol.004
執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰
1.4. 宇宙は時空の壁をすり抜け、「宇宙の種」として相転移した。
とはいっても、宇宙はゼロから始まった。そこには何も無かった、では、この後の展開が見えてきません。
そこで本レポートでは、“宇宙は無から生まれた(「無からの宇宙創生論」)”と、最初に科学の言葉で考えた、ロシア(ウクライナ)のアレキサンダー・ビレンケン教授の仮説を紹介したいと思います。
アレキサンダー・ビレンケン教授は、量子論でいう「無」とは「時間と空間があって物質がない状態」ではなくて、「時間も空間も物質もない状態」であり、その「時間も空間も物質もない状態」から「※2 ゆらぎ」が発生し、いわゆるトンネル効果によって、ポッと宇宙が誕生したというのです。
この学説は、その後、イギリスの物理学者のスティーブン・ホーキング博士の「無境界仮説」としてさらに発展し、今では仮説というより、有力な宇宙論の常識になりつつあります。
さて、“ゆらぎが発生し、トンネル効果によってポッと宇宙が誕生した”とか、“無境界仮説”とか、難しくて訳がわからないと思われますが、宇宙の始まりというテーマは、量子力学でもまだ未解明のテーマなのです。
なにしろ、“ゆらぎ”は、137億年前のはるか彼方の世界で起こった事柄です。
とりあえず、ここでは“宇宙は時空の壁をすり抜け、「宇宙の種」として※3 相転移した”ことにより生まれた、ぐらいの理解でとどめておいていただければと思います。
※2:宇宙は、発生理由を持たない「ゆらぎ」から突如、“ポッ”と誕生した。そして、その誕生の瞬間には空間や時間の区別さえつかず、すべてがひとつのものに統一されていた。
やがて、時間の経過と共にそれらは“相転移”して枝分かれし、現在のような姿にまで進化したと考えられています。
“ゆらぎ”については、「すべては<真空のゆらぎ>から生まれた」というテーマでまとめて後述します。
※3:相転移とは、ある臨界点を越えると、不連続に様態(相)が変わる現象を意味します。
例えば、水を冷凍庫に入れておくと、ある臨界点を超えると氷になったり、氷を熱すると、ある臨界点を超えると沸騰して水蒸気になったり、と同じ物質(H2O)でも、水の相から氷の相から蒸気の相へと、ある臨界点を越えると不連続に様態(相)が転移することを意味します。
本文の場合には、「無の相」から<ゆらぎ>が起きて臨界点を超えて、不連続に「宇宙の相」に様態(相)が転移したという意味あいで理解しておいてください。
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【杉山 彰(すぎやま・あきら)プロフィール】
◎立命館大学 産業社会学部卒
1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
1990年、株式会社 JCN研究所を設立
1993年、株式会社CSK関連会社
日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
マーケティング顧問契約を締結
※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。
◎<作成論文&レポート>:
・「マトリックス・マネージメント」
・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
・「コンピュータの中の日本語」
・「新・遺伝的アルゴリズム論」
・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
・「人間と夢」 等
◎<開発システム>
・コンピュータにおける日本語処理機能としてのカナ漢字置換装置・
JCN<愛(ai)>
・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
・TAO時計装置
◎<出願特許>
・「カナ漢字自動置換システム」
・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
計測表示できるTAO時計装置」
・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等
◎<取得特許>:「TAO時計装置」(米国特許)、
「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等