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日本という、このすばらしい国 その16

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

日本人は、本当に「模倣民族」か。

国際特許の話ですが、国際特許を申請すると、最終的に、その特許申請した技術を考えついた時に参考にした資料(文献等)を自己申告(先行技術文献開示義務)する手続きがあります。もっとも、この自己申告の前に特許庁から「あなたが特許申請した技術と同じような内容を記述した文献が、これこれあります、従って、あなたがこの技術を特許申請しても特許を得ることは難しいと思います」という意味を含んだ書面が送られてくるのですが、それでも「いや、この技術は私が考えついた新規技術である」として特許申請することは何の問題もありません。

ただし、この場合、特許が取得できる、できないは別問題です。多くの場合は、拒絶査定の憂き目にあうことは間違いありません。私が、ここで問題にしたいのは“特許申請した技術を考えついたときに参考にした資料(文献等)を自己申告する手続き”のことです。少なくとも、その技術が「発明」と称するものであろうと、「発見」と称するものであろうと、まったくの無から生じたものは皆無に近いと思います。

大部分の発明や発見は、先人たちが先鞭を付けたものをオリジン(起源)として、そのオリジンをベースとしてオリジナリティ(独創)であると称するものを発明した、発見したとしているのではないでしょうか。

理論物理学者であるフリーマン・ダイソンは、著書『多様化世界』において

複製は細胞が自己増殖できるように分子の正確な複製をつくることであり、生命を持つということと複製するということは、事実上同じ意味である

と定義しています。この複製を「模倣」に置き換えて考えてみると、とても興味深いものがあります。つまり「模倣」することは、動植物を問わず、私たち生命体においてきわめて基本的な営みであって、私たちの細胞を創りだす仕組みは、それこそ模倣の極みといってもいいほどです。

初めは1つの細胞が存在します。その中には約30億個のDNAが存在します。そしてこの30億個のDNAには、私たちのカラダを形づくっているすべてのタンパク質を生成する情報が格納されています。模倣は1つの細胞から始まります。1つの細胞が模倣されて2つの細胞になり、2つの細胞が4つの細胞になる、というように次々に模倣されることによって、最終的には約60兆個の細胞が形づくられます。そうするとオギャーといって、この世に赤ちゃんが誕生するのですが、誕生したら、今度は言葉を覚え出します。これもやはり、模倣そのものです。

最初は、お母さん、もしくはお父さんの口まねをして言葉を覚えていきます。そしてやがて成長して学校に入学します。今度は教科書を使って文字を覚えます。これも立派な模倣です。そして学校を卒業すると就職します。就職したばかりは、新しく覚えることばかりです。先輩のやっていることをマネしろ、という声が飛び通います。OJT(On-the-JobTraining)などは、まさに模倣そのものの職業指導方法です。

模倣することは、とても大切なことです。模倣なしには、私たち人類の今日はあり得ないのです。かのアインシュタインの相対性理論も、マッハの原理や、プランクの法則や、マックスウェルの法則に影響されて発明されたものです。アインシュタイン自身もこの事実を明確に発表しています。自己申告しています。(つづく)

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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等

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