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意識と無意識の際(はざま)には、何があるのだろうか【前編】

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

日本文化の知識体系をふまえた
言霊五十音の響きがある。

 今回のパローレでは、意識と無意識についてお話させていただきたいと思います。意識についての定義は、それこそ山ほどあって、どれもこれもそれなりの定義がなされてはいるのですが、決め手がないというのが事実のようです。

ま、ザクッといってしまえば、他人が何を本当に意識的に感じているかは、外見からはまったくわからない。他者を外から観察するだけでは、その人の心の中を知ることは決してできない。つまり「意識って、意識した当人にしかその意識が何で、どう意識したかわからない」ということに帰結します。さらにいうならば、意識している当人にさえ意識できない“無意識の意識”という意識が存在するということも事実です。では、自分以外の他者の意識を伺い知ることは不可能なことなのか?

方法はあります。言葉を交わすことで、コミュニケーションをとることで、自分以外の他者の意識を伺い知ることは可能です。但しこの場合、言葉を交わした量と意識を発露させた量を同等とみなすという前提が条件です。意識は無意識までを含むと、きわめてとらえどころのない暗黙知の領域のお話になりますが、その暗黙知※1としての意識を、形式知※2としての言葉で縛っていくことにより、意識の最小単位は、言葉の最小単位とみなす、という同定論を前提としてのお話の展開が可能となります。

“意識と無意識の際には、何があるのだろうか”というお話は、ここで一気に「意識の量と言葉の量」という何やら数学的なお話に相転移させていただきます。

※1:「暗黙知」とは言語化することができない(あるいは言語化されていない)主観的な知識のこと。
※2:「形式知」とは言語化することができる(あるいは言語化された)客観的な知識のこと。ハンガリーの化学者・哲学者であるマイケル=ポランニーが、哲学の分野で「暗黙知」の概念を提唱。その後、日本人の経営学者である野中郁次郎氏が、ポランニーの「暗黙知」の概念を経営学に応用させ「形式知」の概念を生み出した。
(引用:http://businesswords.blog.jp/archives/1047929806.html)

 言葉の最小単位と意識の最小単位を、
同定するということが意味するもの。


 意識の量と言葉の量を数量的に比較してみれば、あきらかに「意識の量>言葉の量」の関係式が前提となります。しかしここでは、意識の最小単位を言葉の最小単位とみなすという同定論を前提とするのですから、「意識の量≧言葉の量」の関係式が成立します。意識の量はあきらかに言葉の量よりは大きいが、暗黙知としての意識を主観的な知識と置き換えて、形式知としての言葉を客観的な知識と置き換えてみると、意識を一語一語、言葉で縛っていくことが可能となるため「意識の量=言葉の量」の関係式が成立します。

意識というものを見えない知識と置き換えて、言葉というものを見える知識と置き換えてみると、意識と無意識の際に見えてくるものがあるのです。それは「人間科学」を著した養老孟司氏の“言葉にならないことは、存在しない”という一言です。そしてこの一言は、「言霊百神」においても、まったく同じことが語られているのです。以下、引用します。

事物の実体はその名すなわち言葉に存する。名がなければ物事はない、名状し得ず、認識し得ず、把捉し得ない。すなわちそれは未剖(ぼうはん)の渾沌である。
「天津神諸の命(あまつかみもろもろのみこと)」の修理固成(つくりかためなせ)の命令はその天津神そのものである先天(せんてん)、天名(あな)に基づいて、宇宙間のすべての要素の名を定め、その名の原理すなわち原理の言葉を以て万物を命名し、その原理ある言葉を指導原理として国家、社会、世界を組織し、建設し、経営せよと云う生命の命令である。

名は万物の母であり、言葉が万物存在の根拠である。

人間が創造する文明の実体は言葉であり、言葉として組織された世界が人間によって生み出された最初の国であり、文明の発展は言葉の発展である。  

意識の統合知識情報理論と、
ナレッジモデリングをシンクロさせる。

 価値観が多様化した現在、言葉による心地よいコミュニケーションを実現するためには、私たちが日常、目や耳にする知識(ナレッジ)を漏れなく、重複なく、かつすべてが網羅されている状態にすることが求められているのです。そして、それらの知識をさまざまな用語や言葉に置き換えてもコミュニケーション齟齬を起こすことなく運用できる基本的な体系が望まれているのです。neten(旧:七沢研究所)が開発し提唱するナレッジモデリングは、<知識の模式化技術>です。意識としての情報と知識としての存在形式を、様々な階層をまたぎながら共有化と統合化を進めることにより、知識の意味づけ項目を最小単位に分解し、それぞれに一つの意味で重複のない「一意味語」によって名付けをする。この「一意味語」がコンピュータに格納された時点で、デジタルナレッジ意味用語と呼ばれるのです。また、その体系をデジタルナレッジと呼称。コンピュータ内にデジタルナレッジを格納し分類体系化することで、新たなデジタルナレッジが発現生成され、体系そのものが高度化し、増殖していくのです。(後編に続く)

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【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許) 等

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