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言霊よもやま話 Vol.3〈主基(すき)と悠紀(ゆき)〉其の 一

原典:『世界維新への進発』(小笠原孝次 著)
編集:新谷 喜輪子 / 監修:杉山 彰

世界は、 天津日嗣の経綸の下に運営されている

太古神代然り、上古中古然り、現代然り、永遠の未来然りであり、その経綸は人間性の基礎原理に則って行われている。この原理の把握なしには人間の世界の正規の指導は不可能であり、過去を知ることも未来を卜することも不可能である。此の原理を布斗麻邇と言い、未来を卜(ぼく)するが故に太占(ふとまに)とも書く。言霊五十音であり、三種の神器である。

現代は神武以来、崇神朝の同床共殿廃止以来、仏陀の入涅槃(にゅうねはん)以来全局の指導原理を見失った渾沌世界であり、天照大御神の直接の指導によらず、天の岩戸隠れ、エデン閉鎖時代の仮初(かりそめ)の思想によって経営されている時代である。此の時代の様相を五を以て示した姿が上図の天津金木である。この図をアラ(荒)またはカラ(唐・空)の音図と言う。音がアーラ又はカーラと並ぶからであり、キリスト教でもこの世界を「荒(あら)野」と言う。「主の道を直くせよと荒野に叫ぶ声あり」と記されたキリスト出現以前のヨハネの世界である。聖書は大和言葉のアラの意義を承知している上で編まれてある。アラの音図はヨハネの皮衣である駱駝(らくだ)の背の瘤の如くに双つに分かれている。

天皇の御即位式に主基、悠紀の田を祭り、その稲穂(五十音言霊(いなほ))を天照大御神に奉る。天津金木音図のアカサタナの左半分を主基田と言う。「明らかな悟りの田を成せ(アカらかなサとりのタをナせ)」と訓まれる。その中心に言霊スが位するからスの田(主基)と言う。宇宙初めである本源の自然ス( 静・巣)の世界に帰る過程、すなわち宗教の世界、月読命の修業の過程である。ハマヤラワの左半分を悠紀田と言う。「端をまとめて八つにならべて和を作れ(ハをマとめてヤつになラべてワをつくれ)」と訓まれる。万象を八律に整理する道の過程であって、中心に言霊ユが位するからユの田( 悠田、J u d e a )と言う。須佐之男命の科学の世界である。

図

現在の世界は金木音図の上で実際にどうなっているか。金木は大国主命の姿であって、命には妃が二人居る。須世理(すせり)姫と八上(やがみ)姫と言う。スセリとはスを選る義。ヤガミとは八数の原理を醸(噛)む義である。前者は宗教、東洋文明、仏教、キリスト教、儒教である。後者は科学、西洋文明である。此の主基と悠紀の二人の妃が左右にガッチリ対立して相譲らぬ状態が、三千年来の歴史を閲(けみ)して今日に至っている天津金木の世界相である。

然らば此の左右の妃が現在世界に如何なる動きをしているか。月読命の真如の法を基調として、人間の精神・霊魂の面から文明の完成を図ろうとするのが須世理姫であり、その領域は昔ながら、三千年来のアジアの地であり、此処にアラブ、印度、中共、東南アジアが位置する。これに対して科学的な武力と金権を駆使して世界を統合することを四千年来の民族の悲願としているのが欧米を基地とするその背後の権力であるユダヤである。此の背反する金木の両面の動きが、その歴史的な対立の終局に達して、地球と言う土俵の上で両横綱がガッチリ取り組んだまま双方共に動きが取れなくなっているのが世界の時局の現段階である。

(つづく)


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【小笠原孝次(おがさわらこうじ)略歴】
1903年 東京都にて生誕。
1922年 東京商科大学(現在の一橋大学)にて、
吹田順助氏よりドイツ文学、ドイツ哲学を学ぶ。
1924年 一灯園の西田天香氏に師事し托鉢奉仕を学ぶ。
1932年 元海軍大佐、矢野祐太郎氏および矢野シン氏と共に
『神霊密書』(神霊正典)を編纂。
1933年 大本教の行者、西原敬昌氏の下、テレパシー、鎮魂の修業を行う。
1936年 陸軍少佐、山越明將氏が主催する秘密結社「明生会」の門下生となる。明治天皇、昭憲皇太后が宮中で研究していた「言霊学」について学ぶ。
1954年 「皇学研究所」を設立。
1961年 「日本開顕同盟」(発起人:葦津珍彦氏、岡本天明氏ほか)のメンバーとして活動。
1963年 「ヘブライ研究会」を設立。
1965年 「ヘブライ研究会」を「第三文明会」に発展。
1975年 「言霊学」の継承者となる七沢賢治(当時、大学院生)と出会う。
1981年 「布斗麻邇の法」を封印するため七沢賢治に「言霊神社」創設を命ずる。
七沢賢治との連盟で山梨県甲府市に「言霊神社」創設する。
1982年 79歳にて他界。

【著書】
『第三文明への通路』(第三文明会 1964年)
『無門関解義』(第三文明会 1967年)
『歎異抄講義』(第三文明会 1968年)
『言霊百神』(東洋館出版社 1969年)
『大祓祝詞講義』(第三文明会 1970年)
『世界維新への進発』(第三文明会 1975年)
『言霊精義』(第三文明会 1977年)
『言霊開眼』(第三文明会 1980年)


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ラボラトリオでは、人類の進化発展に寄与できる文章を作成し、それを“言霊”として実現できるレベルに高めてまいります。 そうした思考実験の過程をご紹介させて頂くと共に、言葉や思考を生み出す元となる“概念”がいかなるものか、これまでオープンにしてこなかった情報を含めて公開していきます。

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言霊三部作(『言霊百神』『言霊精義』『言霊開眼』)を執筆した、わが国の言霊学第一人者である小笠原孝次先生の『世界維新の進発』がいま、エッセイ集『言霊よもやま話』として登場。